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住職の言葉

「今月の言葉」や「法話」一覧ページです。
住職:長谷川岱潤

住職の言葉 - 一覧


2020年12月1日 - ≪法話

12月の法話

今月も戒法寺ホームページをご覧頂きありがとうございます。

今年も早いもので、もう最終月を迎えてしまいました。今年は年頭には思いもしなかった、新型コロナウイルス感染病の蔓延という一大旋風が吹き荒れ、日本がそして世界中の多くの方が亡くなり、今なおその感染力の強さに世界中が震撼しています。

私たちの日常は全く変わってしまい、マスクは放せないものになってしまいました。県外への移動も慎重になり、東京の人間は特に、多くの人が実家に帰ることすらできなくなっています。

このコロナ感染病は、身体的病と心の病、つまり陽性反応と不安から来る恐怖心が、もう一つの病、他者への差別や偏見という攻撃を引き起こし、この三つがスパイラルになってぐるぐる回り出しています。あとどのくらい続くかわからないこの病に、私たちは何とか、このスパイラルだけは断ち切るようにしたいと思います。そのために、その力を頂くために、ますます仏さまにすがり、頼ってゆきたいと思います。

「ちりを払い、垢を除かん」これはお釈迦様が知能障害の弟子シュリハンドクに教えた言葉です。弟子たちの中で釈尊の教えについて行けなく教団を出ようとしたシュリハンドクに、ぞうきんを持たせ、この言葉教えて称えさせ、みんなの草履を毎日拭かせたのです。やがてシュリハンドクは悟りを開くまでになりました。 目の前のやるべきことをこつこつ行う大事さ、そんなことを教えているようです。一年の大掃除の時を迎え、家の掃除をすると同時に、心の大掃除、自分自身のこの一年を反省して、お念仏とともに自分を見つめる「仏名会」を毎年12月の18日夜お寺で行っています。今年は集まることができませんが、各家でそれぞれにお仏壇に向かって、念仏する時を作り、この一年のご自身を省みてください。きっと新しい年に、少しでも希望が持てる気持ちになることができるでしょう。

合 掌

2020年12月1日 - ≪今月の言葉

頼もしき未来なりきり御仏名  松瀬青々

お念仏の声と共に、一年の懺悔の集いが仏名会ですが、
お念仏をお唱えしていると、なぜか楽しくなってくる。
そして、先が見えない現在の不安な毎日が
少しだけ希望が見えてきたりする。
そんな錯覚でもしてみたい。そんな今年が終ります。

2020年11月8日 - ≪法話

11月の法話

今月もホームページをご覧頂きありがとうございます。

アメリカの大統領選挙の投票は終わりましたが、まだまだ平穏にはなりそうもありません。自由で民主主義の国といわれてきたアメリカが、恐怖と分断の大陸となっていることに寂しさえ感じます。いつからこんなになってしまったのでしょう。

世界の幸福度ランキングというものがあり、国連の関連機関で毎年調査しているそうです。今年の日本の順位は62位でした。昨年は58位、一昨年は54位と年々下がっています。

平和で、自由で、物質的に恵まれている日本の国民が、あまり幸福を感じていないのはなぜでしょう。ある人がこんな調査を発表しています。世界の既婚者男女を調査した報告で、生活時間の学習活動の頻度で、「何もしていない」と回答したアメリカ人は、47%、フランス人は50%、韓国人37%に対して、日本人は73%とぐんを抜いて高く、さらに「毎日、本を読むなど何かを学んでいる」という質問では、アメリカ人6.6%、フランス人10.5%、韓国人2.9%、に対し日本人は1.9%でした。

日本は先進国の中で社会人が1番勉強していない国になってしまいました。大人になって学ぶことから遠ざかることは、幸福への道から遠ざかることと言った人がいましたが、日本は人材教育などと教育を商品価値を高める手段にしてしまいました。

勉強は人に言われてやっているときは、楽しくも何ともありません。むしろ苦痛に過ぎないでしょう。でも興味のあることを知ることで、自分の成長の変化を実感でき、自分の存在価値が高まってくるのがわかったとき、学ぶことが楽しくなり、自然と勉強したくなる気持ちになるように思います。

そんなとき人は「今、幸せです」と感じるのかもしれません。 かく言う私も学生時代は勉強が大嫌いでしたが、僧侶として人にお話をしなくてはならない中で、仏教のおもしろさ、興味深さを知って、勉強が楽しくなりました。そして肝心なことは、つねに「問い」を持ち続けることだと思っています。

合 掌

2020年11月1日 - ≪今月の言葉

冬に入る平等院の水の皺(しわ)  原コウ子

お檀家の方々と平等院を参拝したのは、もう十八年も前でした。
平等院の住職は私の後輩で、親切な案内もしてくれたし、
また総本山の知恩院や法然上人が荼毘に付せられた光明寺を巡る、
とても有意義で楽しい旅でした。
今年はまだまだそんな団体参拝はできそうにありません。

2020年10月1日 - ≪法話

令和2年10月 十夜会法話

 今月もホームページをご覧頂きありがとうございます。

 暑さ寒さも彼岸までとは申せ、本当にお彼岸が終わりましたら気温がぐっと下がり、秋冷(しゅうれい)と呼ばれる秋本番を迎えました。

 この季節、秋の名月といわれるように月が最もきれいに見える時期でございます。今月はその美しい月を感じながらつとめる法要「十夜法要」が浄土宗の各お寺で勤められます。

 戒法寺でも18日にお十夜法要をおつとめいたします。例年ですと近隣のご住職様方と一緒に華やかに勤めるのですが、今年はコロナのことがあり、私と弟子とで勤めることになりそうです。

 十夜法要は元々の起こりは収穫祭です。実りの秋を迎え、とりわけ稲の収穫期に当たり、古くから農村で行われてきたお祭りを、関西以西では亥の子(いのこ)と呼び、関東以北では十日夜(とおかんや)と呼んで、収穫を土地の神、農耕神、祖霊に感謝した感謝祭でした。ぼた餅を食べたり小豆がゆを食べたりしたと言われています。

 このお祭りを、浄土宗では十日十夜法要とし、日蓮宗はお会式、浄土真宗は報恩講、そして神社は新嘗祭と名付けてそれぞれ行っているということです。

 また浄土宗では十日十夜の根拠として、無量寿経の中の「この世で善を修すること十日十夜にすれば、他方諸佛の国中において善を修すること千歳にも勝る」という一文を上げて、この世で十日間お念仏を称えることの徳を上げ、阿弥陀如来が誕生したことを讃える日としているのです。

 要するにお十夜法要はお祝いの日です。お蝋燭も赤にして、鏡餅をお供えし、お食事を頂いて楽しく過ごす日です。

 念仏が楽しく聞こえる十夜かな   岱潤  

 現在では十日間とは言いません。鎌倉光明寺では三日間、それ以外のお寺では一日の法要ですが、お念仏をお唱えしながら楽しくひとときを過ごしたいと思います。 

合 掌

2020年10月1日 - ≪法話

秋彼岸会 十夜会法話 動画