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浄土宗の
概要

浄土宗の教義と本願
法然上人について

教義

 「南無阿弥陀仏を称えれば、どんな愚かな者でも、罪深い者でも、一人残らず救ってあげる」という阿弥陀仏のお誓いを信じて、日々にお念仏を称えて充実した生活を送れば、現世でも来世でも必ずしあわせになれます。

本願

 阿弥陀様が仏になられる前、四十八の願をたて、その誓いを成就してみ仏になられました。その第十八願に「どんな人でも心から極楽浄土に往生したいと望み、念仏を称えれば必ず私の国(極楽浄土)に迎えてあげる」という万人救済の誓いがあります。この「願」のこと。

浄土宗の教義・本願 浄土宗の教義・本願
名称
浄土宗(鎮西派)
宗祖
法然上人(1133~1212)
開宗
鎌倉時代・承安五年(1175)
称名
「南無阿弥陀仏」ナムアミダブツ
本尊
阿弥陀仏。阿弥陀如来、無量寿仏、無量光仏、弥陀仏とも呼ばれます。
お経
釈尊の語られた『無量寿経』、『観無量寿経』、『阿弥陀経』(浄土三部経)などです。
法然上人 法然上人

法然上人(源空)

 九歳のとき、非業の最期をとげた父の遺言により、仇討をやめて仏門に入った勢至丸(幼名)は、成人して比叡山第一の智慧者と称せられましたが、満足できる教えを得られませんでした。そこで三十余年間、ひたすら経典を読み返し、求道の生活を送ったある日「念仏を称える者はすべて救われる」との一文から、浄土宗を開かれた方。

浄土宗の教え

 学問がある、お金がある、意志が強い、頭がいいなどの人々のみが救われる宗教では不公平です。

人間とは弱いものなのに、それを何かの能力の有無によって救われるのは、救済の力が弱いからではないでしょうか。阿弥陀仏は救いの力が強く、ただお念仏を称えて阿弥陀様におすがりすれば助けて下さいます。能力ではなく、だれにでもできる信心によって、わけへだてなく平等に慈悲の光を与えて下さいます。経典のなかに「阿弥陀如来の慈悲の光明は、あまねくすべての世を照らし、念仏をとなえる人々を救って捨てることなし」とあります。

浄土宗の教えは、弱い人間や愚かで罪深い私達凡夫を救って下さる、万人救済の宗教です。人間は賢いようで何も知ってはいません。強いようで全く弱い存在です。仏の悟りの眼で見ると、愚かで弱く罪深いのが人間です。盛者必衰は世のならい、無常なこの世で本当に頼れるものは一つとしてありません。頼れないものを頼りにするから、また不幸が生まれます。人の力には限界があり、お金も、地位も、人の情も限られたものですし、一時的なものです。文明は自然界を壊そうとしています。そうした状況で、ただ阿弥陀仏のお救いを信じて日々を生きることが、弱い存在である私達が強く幸福になる道なのです。

どうか皆様の心をみ仏の心に近づけるため、また来世においては極楽浄土に往生できることを確信してお念仏を称えて下さい。