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12月のお話

 先月天皇陛下の長女愛子さまがラオスを公式訪問された。その時「パーシー・スクワン」と呼ぶ、白い糸を左手首に巻く儀式が行われた。幸せを祈る儀式で、身体の中の魂が身体から遊離すると不幸になることから、糸で結びつけるために行うものだそうです。結婚、誕生、旅立ちなどいろいろな場面で行われるそうで、私も以前ラオスに行ったときしていただいたような気がしてきました。
 私が訪れたのは12月中旬だったのですが、どこにもクリスマスの宣伝がない、「静かなる仏教国」というのが印象でした。
日本では12月に入るともう、どこもかしこもクリスマスになりますが、仏教でも12月は大事な月で、お釈迦様がお悟りを開かれた記念すべき時、成道会を迎えます。この成道会(お悟りの日)は12月8日で、この日お釈迦様はブッダガヤのピッパラ樹(のちの菩提樹)の下で、明けの明星が輝くときお悟りを開かれたといわれています。
 ここまでお釈迦様は王子の生活を捨て、苦行を繰り返し、中でも断食の苦行は、周りの誰もがこの人は死んだと思われたほどだったと言われています。しかし農夫の「琵琶の糸、きりりと締めればぶつりときれ、さりとてゆるめりゃべろんべろん」という歌に目を覚まし、中道を選ぶことを決め、真理に目覚めたと言われています。ここでいう中道とは真ん中ということではなく、その人にとってちょうどいいところ、いい加減なところをさします。この「いい加減」もアクセントで二つの意味があります、ひとつは適当にやること、もう一つは風呂の湯加減などのいい加減です。以前はお釈迦様の「いい加減」は、断然後者、風呂の湯加減の方だと思っていましたが、最近はどちらでもいいのかななどと思っています。お釈迦様の教えは決めつけることを避けているように思えます。龍樹の言葉「日照りの時の雨は善であり、洪水の時の雨が悪である」にもあるように、善悪も受け取る人、状況によって替わることを言います。真理がその人、その時、その場所で変わるのです。怠けている人に厳しく、一所懸命な人にはやさしくする教えが仏教だと思っています。
 12月はとかく忙しい月です。忙しいとついつい人にも厳しくなりますが、そんな時こそ和顔愛語、笑顔に努めましょう。 
 アメリカの哲学者ウィリアム・ジェームズも言っています「人は幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなのだ」と、笑顔は単なる感情の結果ではなく、心を動かし、状況を変える力を持っている言われています。たとえ無理に笑ったとしても、その表情の変化が心に小さな明かりを灯す。やがてその心の明かりが周りの人の心も温めてゆく。「笑う」ということも最初の1歩なのです。その笑顔が次の笑顔を連れてくるのです。

合 掌