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2月のお話

 今年は3日が立春ということで、2日が節分になります。各神社は在庫のポスターが使えず、大わらわだったといいいます。立春は旧正月節ともいいますが、今年の旧正月は1月の29日でした。暦というのは何とも不思議です。「冬極まりて春近し」といいますが、まだまだ寒い日が続きそうです。
 最近の節分は「恵方巻」が、すべてを席巻している感じですが、昔私が聞いた話は、鬼なんか怖くないと、太巻きを鬼の金棒に見立てて、鬼が来る鬼門の方角(東北東)に向かってかじることから始まったはずです。鬼門が東北東なのは丑虎の方角からということで、鬼の姿、牛の角と虎のふんどしという姿になっていることからもわかります。これは中国で首都西安の時代、隣国匈奴が東北東から秋の収穫の時期、略奪に来たことから生まれたようです。しかし最近は恵方に向かって太巻きを食べると願いが叶うと言われているようです。その理由はわかりません。
 さて私の友人に大手新聞の校閲部という、新聞社の中では全く地味な仕事をしていた者がいました。新聞記事を印刷ぎりぎりで読み、間違いがないか最終テェックする仕事で、間違いがあれば傷つく人、困る人が出てしまうし、新聞の信用の問題もあるということで大変重要な仕事です。ここが新聞とSNSとの大きな違いです。先日米メタ(旧フェイスブック)が、投稿内容の事実関係を確認する「ファクトチェック」を米国で廃止するという報道がありました。私は益々ネット情報の怖さを感じました。
 先日30代の人と話していて、ニュースの受け取り方に何か違和感を感じました。彼はテレビや新聞は一切見ず、情報のすべてをネットから得ていました。私のあたりまえは彼には全く通じませんでした。ネットの情報というのは、その人の興味関心、同じ価値観のものがどんどん集まってくるようで、初めは様々な価値観があった彼も、自分と同じ価値観のものしか見ていないと、一つの価値観が絶対化してしまうようでした。最終的にはトランプみたいな人が日本も首相になれば、日本ファーストになっていいなどと言い出し、多様性や少数者に対する目線は全く消え失せていて、怖ささえ感じました。
 こうしたことが最近の選挙を見ていても感じてしまいます。兵庫県知事選のように、支持していた与党議員まで、議員全員が罷免決議をした知事が再選される。東広島市の市長が立候補した都知事選で2位になるなど、SNS効果が言われています。彼は政策なしの新政党を立ち上げ今年の都議会選挙に、立候補者を募るということで、SNSでの選挙戦を楽しんでいるとしか思えません。AIが人間の能力を超えてしまった時代、私たちにとって大切なものは何か、考える時期のようです。

合 掌