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8月のお話

 ホームページをご覧いただきありがとうございます。今月は弟子の岱忠が担当させて頂きます。35度超えが多く、とんでもない酷暑が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
 先日、私が30年以上続けてきたボーイスカウトのニュースで衝撃を受けました。それは、世界で最大規模のスカウト人数を誇るアメリカのボーイスカウトが、設立115周年を迎える来年二月にボーイスカウト・オブ・アメリカからスカウティング・アメリカに変更すると発表したからです。アメリカでは2010年代から女子を受け入れ始め、昨今の女子会員の増加を受け、団体名を男の子を意味する「ボーイ」を外し、社会の多様性に配慮し、アメリカのスカウト連盟の会長が「誰もが受け入れられていると感じられるようにする為」と発信し、名称変更をおこなうことになりました。
 私がスカウト活動に参加し、若手指導員として活動していた20年ぐらい前には、所属している地域ではすでに男女比は半々ぐらいでした。また、2001年のスカウト運動を統括する団体「世界スカウト機構」への登録名では「Scout Association of Japan」とボーイの文字をなくし、日本では国際的な多様性の観点を踏まえ変更していました。それもあって、高校生の時に日本代表でアメリカのキャンプ場で交流会をした時に、男子しかいなかったことに違和感がありました。
 アメリカのスカウト運動が公にも変更し多様性を受け入れる姿勢を見せ始めたことに関して衝撃を受けましたが、実は未だに日本のスカウト連盟の和名では、「ボーイスカウト日本連盟」と「ボーイ」の文字は残ったままの公益財団法人として登録していることに、より一層衝撃を受けました。このアメリカでの動きを是非日本でも取り組んでほしいと感じます。
どこで生まれ、どのような性で生まれるかを選ぶことができないとしても、自身の成長に女性だからとか男性だからと教育の現場で区別し選択・行動の自由を奪い、多様性を認めないということは、もうこれは区別ではなく「差別」になるのではないでしょうか。決めつけて抑制しレッテルを貼ってしまうということは大いに警戒すべきことなのだと思います。この身近な性に関してでさえも差別を生みかねないのだから、ましてや、マイノリティの方々に対してはより一層の激しい差別をしているのだと思います。
 お釈迦様がお生まれになった、当時のインドでは、六道輪廻が根本にあり、また、カースト制度という身分制度も当然のように社会に組み込まれていました。お釈迦様はこの六道輪廻を超える「解脱」と身分制度であるカースト制度を否定し、生まれながらにしてレッテルを貼ること、言い換えますと差別することを否定し、生まれで決まるのではなく、自身がこれから「なにをするのか」が重要であり、一切の生きとし生けるものは平等であると説かれたのです。
 仏の御教えを学び信じていくものにとって、このことを踏まえ、ほんの些細なことであっても差別をうむ言葉を発していないか、私自身、今一度胸に手を当てて問い続けていかなければならないのだと思います。

合 掌