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4月のお話

 ホームページをご覧頂きありがとうございます。今月は弟子の岱忠が担当させて頂きます。
 先月の当山開山400年記念大法要並びに春彼岸中日法要が盛大かつ厳粛にお勤めができましたことを大変感謝申し上げます。例年よりも早く咲いた桜もお祝いしてくれているのかと思えるように、見事に咲き誇り、また、雨天の予報ではありましたが、雨も降らず迎えることができ、とてもありがたい日となりました。120名の参加がございましたこと、また、本大法要に向けての準備や当日も含めご協力くださいました皆々様に今一度深く感謝申し上げます。
 この四月は仏教徒にとって大切な日がございます。それは、お釈迦さまのお生まれになった四月八日にその誕生を祝う行事「灌仏会」(または花まつり・降誕会など)が執り行われるからです。お釈迦さまが誕生なされたとき、世界は光り輝き、天からは甘露の雨がふりそそぎ、とその誕生を祝ったことに由来し、誕生仏に甘茶をかけてお祝いをする風習が今では定着しています。全国各地の寺院で色鮮やかな花々に囲まれた御堂、花御堂に誕生仏が安置されます。お寺ごとに花の飾り方や誕生仏のお姿が違いますので数ヶ寺回ってみると楽しいかもしれません。もちろん、当山でも花御堂と甘茶をご用意しますが、近隣のお寺でも飾っておりますのでどうぞお越し頂ければと思います。
 お釈迦様のみ教えは実に多くありますが、その中でも一貫して説かれているみ教えとして、すべてがお互いに関連し合って存在しているということが説かれているのです。それは、今の私が存在するためには、量り知れない程の関連。言い換えますと繋がりがあるということなのです。私が生まれる為には、父と母が存在し、またその父と母にも父と母がいて……と、実に多くのいのちの営みである繋がりがあります。そして、そのいのちの営みには、さらに太陽、水、空気や大地との繋がりがありまして、そしてわたしが存在するためにはたくさんのいのちをいただいて今日に至るのです。
 このようなみ教えは、色あせることなく時代や場所を超えて今現在の私であってもその繋がりは続いてゆくということなのです。
 それなのに、私は一人で生きていると勝手に思い込み、自分中心の生活をしてしまいます。この「自分だけ」と思ってしまう考え方や行動を目覚めさせていただく道は、この繋がりを「ありがとうございます」という思いを常に感じ感謝し受け入れて行動していくことなのだと思います。ですが、ついつい独りよがりなってしまう自分がいます。その時は「南無阿弥陀仏」と称えながら「ごめんなさい」と反省し、また、気づかせていただいたことに感謝しながらお念仏をお称えしたいと思います。
 誕生の偈「天上天下唯我独尊」とは、比較することではなく、私も尊いということはあなたも尊いということ、つまり、すべては繋がりがあって、それぞれがそれぞれのままに尊いということなのです。
 その繋がりを説かれたお釈迦様を拝観しつつ、すべてを包み込む阿弥陀さまのおちからを感じながら誕生仏に甘茶をそそぎかけたいと思います。
 南無阿弥陀仏

合 掌