10月のお話
ホームぺージをご覧いただきましてありがとうございます。今月は弟子の岱忠が担当させていただきます。
暑さ寒さも彼岸までとはよく申したもので、朝夕は涼しくなってきました。夏の疲れと日中との温度差による体調の崩しやすい季節となりますが、どうぞ皆様ご自愛ください。
さて、私事で恐縮ではございますが、昨年より浄土宗青年会に所属しましてお役を拝命しイベント等の企画運営に携わるようになりました。この10月となりますと、14日のスポーツの日に因んで東京教区浄土宗青年会「チャリティースポーツ・ソフトボール大会」が開催されます。当然、私も参加しますが、このスポーツ大会今更ながら何故大切な日・祝日なのか掘り下げてみたいと思います。
まず、この日が祝日となったのは、元々は10月10日であったように、この日が1964年の東京オリンピックの開会式であること、そして、戦後の日本が国際社会に復帰する象徴としての意味合いもあり、アジア地域初の開催であるということを含め1966年から祝日となりました。当初は体育の日と名打っていましたが、二度目の東京オリンピックを記念しスポーツの日としてより親しみやすい名に変更したようです。目的は『スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う』ということのようです。
身体の健康を保つためには自分にあった適度な運動を継続的に行うことが大切です。と言葉ではわかっていますが、怠け癖がある私は「時間がない!忙しい!」などとお恥ずかしい話ですが言い訳をしてしまいます。
健康を害すると、日々の生活に影響がでますし、やりたいこともできなくなってしまいます。病気にならないようにすることはとても大切なことだと思います。ですが、それだけが健康の目的ではないように思います。それは身体の健康だけではなく、心の健康も大事なことなのではないでしょうか。この世の中、病気にならない人はいませんが、心が健康であれば、たとえ病気になったとしても心の持ちようが変わるのではないでしょうか。
日本を代表し、世界で最高峰のプロ野球選手の大谷翔平のインタビューで、わくわくするようなレベルの高い試合になればなるほど、高度な技術・体力が要求されるそうです。ですが、最終的な決め手になるのは、体力よりもむしろ精神力ということでした。しっかりした精神力をもつことがとても重要であることを話されていました。これは大谷選手に限らず、私たちにとっても同じことが言えるのではないでしょうか。身体の健康と心の健康の両輪があってこそ本来もつ健康なのです。
それでは、心の健康を保つにはどうしたら良いのか、それは自分にあった拠り所となるものを持つことだと思います。その拠り所とは、仏の御教えなのです。お釈迦様がお説きになった御教えは日々の生活をより豊かにする為の御教え、言い換えますと心の健康をしっかり保つことに他ならないのです。仏の御教えは数多ありますが、その中でご縁をいただいた念仏の御教えがあります。
私のような心の弱いものに「つねに念仏してその心をはげませ」と法然上人は説かれました。弱いからこそ、称え続け自身の心をはげます言葉としても「南無阿弥陀仏」を口に出して称えるというお念仏の御教えがあるのだと私は思います。そしてこの念仏の御教えはあらゆる人の心を、称え続けることではげます言葉なのだと思います。困難な出来事に当たった時「だいじょうぶ、だいじょうぶ、なんとかなるさ」という言葉を口に出すことで励ます最上位に、お念仏があるのだと思います。我が名を呼べば必ず極楽浄土に往生させお救いくださる阿弥陀様がおわしますことと改めて私は思いました。
スポーツの日を契機に今一度、自分の心と身体のことを考え、この両輪をしっかり回し、日々の生活と共にお念仏を称え続け自身をはげましてゆきたいと思います。
合 掌